2023年1月7日土曜日

黄泉がえろっ

 夜寝られないのでAmazonプライムで妙な映画を見てしまった。『黄泉がえり』(東宝:2002年製作/126分)。九州の阿蘇で、死者が死んだ当時のままの姿で甦る(黄泉がえる)と言う怪現象が発生し、原因究明のため派遣された青年がそこで見たものは!!

お涙頂戴ストーリーなのは予想通りで、草彅剛、竹内結子、石田ゆり子、伊東美咲、哀川翔、山本圭壱、田中邦衛、長澤まさみと豪華な配役のためにかえって力が分散し、歌姫役の柴咲コウのステージも無駄に長い。正直言ってものすごく駄作なのだが、前半が結構面白くそれだけに後半がどうにも残念でならない。

地震によってできたクレーターから発する磁場と、周辺の墓地に残る遺体の一部が呼応して何故か10日間ほどだけ死者が元気な状態で蘇るというめちゃくちゃな設定で、よくここまで引っ張ったなと感心する。ついでに言うと蘇って欲しいと強く願う人の前にしか現れないのであまり混乱は起こらないし、最後は霧のように消えてしまうので始末に困ることもなく、残された人はみな幸福感に包まれるというファンタジー。

2002年制作だから今では筋肉マッチョな市原隼人がひょろひょろの中学生だったり、演技が下手すぎてただ美少女なだけの長澤まさみとか時間の経過を感じて面白い。これは映画そのものの出来とは全く関係ないのでさらに残念なところ。

ひとつ興味深いのは、主演の竹内結子が自分が死んだことも黄泉がえったことも気付かない女性を演じていることだろうか。本人が自殺してしまっただけになんとも奇妙な気持ちになるし、どういう死生観で自ら死を選んだのか、もう知る由もないけれど。また急死する人というのは自分が死ぬ瞬間をどんなふうに感じるのだろうとか、あの世で生きている時の意識がどのくらいの期間保たれるのかなどと考えているうちに眠ってしまった。




どうせ死ぬんだから

 「どうせもうすぐ死ぬんだから」と老人特有の僻みっぽいことを口にしながら、「年寄りは嫌よねぇ。若い頃はお爺さんやお婆さんがなんでそんなこと言うんだろうってずっと思ってたわ」と母は自分で言って笑っている。続けて「それはね」となかなかに深い話をしてくれた。 長く生きてもやっぱりあの世...