2020年3月28日土曜日

この世界の片隅に思う

コロナウィルスの影響で、日常当たり前と思っていた生活が簡単に覆されることにただ驚いている。ほんのちょっとした風邪みたいな病気一つで、ここまでの影響があるなどどれだけの人が予想できただろう。

息子の入学する学校も授業開始は大幅に遅れており、オリエンテーションの日程も未定で本人は大いに不安がっている。学びたくても大きなうねりの中では、何かの拍子に機会が奪われることだってあるのだ。海外の首脳が言うように「これは戦争」なのだろうか。

かつて日本にも時代の中で進路を翻弄された人たちがいた。やはり、太平洋戦争の体験はまだ生きた人が伝えてくれる貴重な情報だ。「対馬丸」でもいい、「この世界の片隅に」でもいい、それぞれの立場で自分がどうなるかどう行動するか考えてみたい。



明智小五郎だけじゃない、乱歩。

先日、川上弘美の小説『センセイの鞄』のドラマ化(2003年wowow)されていたのを動画配信で観た。向田邦子とのコンビ作品「寺内寛太郎一家」「時間ですよ」で知られる久世光彦の演出で、70歳で亡くなる数年前のものだった。ドラマはそれなりに良かったのだが、ふとその演出家の書いたものを読んでみようと思った。

一九三四年冬ー乱歩(新潮文庫)。
奇妙な小説だった。実際にあった?のか江戸川乱歩失踪事件から想像を膨らませ、独特の世界観に誘う。乱歩ファンならこたえられないだろうし、世界の推理小説が本歌取りされているために、相当読み込んでいないと本当の面白さは分からない。そんな読み手を選ぶ、癖の強い一冊。架空の作中作「梔子姫」(くちなしひめ)は支那人の幼さも残る娼婦で異様なほど身体が柔らかい、そして口がきけない。冷たく哀しい官能の世界にずるずる引き込まれるような感覚。もう一つの唇が発する「スキ…」

乱歩のオトナな作品も(『人間椅子』とか)また読んでみたい…かも。
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2020年3月22日日曜日

いとやむごとなき際にはあらねど

林望先生の『謹訳源氏物語』を読み始めた。「後書き」の方は電子書籍にしたが、やはり本編は紙媒体が欲しい。まず本を買うところなのだが、文庫版だと紙の質もそれなりなので直に傷んでしまうだろうと、単行本にした。どこから読むか迷ったけれど結局始めから揃えたくなり、全巻揃えるには小遣いも心許ないので、ネットで中古を求めた。

セコハンとは言っても糸綴りでの製本にこだわった作りは、どのページも開きやすく和綴じの良さもあって読書に最適だ。林先生のこだわりは勿論中身であって、後書きにもあるように「作者の言いたかったこと」が伝わるよう工夫されている。

文体はそれほど格調高いわけではないし、平易な表現・親しみやすさが軽すぎると感じる人もあるだろうが、それが10代男子「光源氏」らしさと捉えれば納得できまいか。
「読者のご想像にお任せしますよ」と冷ややかで突き放したような作者の姿も、いい塩梅。

第1巻 桐壺 帚木 空蝉 夕顔 若紫 

「帚木」は「雨夜の品定め」の帖で、作者自身がひょっとすると男に姿を変えて物語をどう展開するかあれこれ考えを巡らせているのではとも想像したりしてみる。といっても既にあまたの研究者や文学者が解説しまくった後で恥ずかしくて何も言えないのだけど、歳を取るごとに目の付け所、面白さの質が違ってくるのだけは確かである。

センパイ達の恋バナを聞いているような聞いてないような、10代男子の拗ねたような横顔はどうしたって高校生の息子に重なってしまう。

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2020年3月13日金曜日

母に

日本人独特の性質なのだろうか、母と子の関係が何かと影響して無意識のうちに支配されていたと後で気づくことがある。

昨年も実家の母にある人と親しくなった話をしたら、夫も動員して引き離すように強く勧めてきた。事実、実家に行く回数も電話も減ってしまったから敏感に反応したのかもしれない。母の言うことには、いくつになってもまだ抵抗できない自分がいる。

源氏物語を林望先生の抄訳で読もうと決めてからまだ本を手にしていない。Amazonの試し読みをして紙の本にするかKindleで読むか、宇治十帖からにするか「あと書き」本からいくか、迷っているがそれも楽しい。

「あと書き」中で、冒頭第1章に「親子の物語としての源氏物語」として光源氏の母である桐壺の更衣をいじめる弘徽殿の女御の立ち位置・心情が書かれていて、新鮮だった。
我が子の立場を危うくする者を排除しようとすれば鬼にも蛇にもなる母の顔。

逆に我が子の印象をよくするためなら自己犠牲など何でもない。

盲目の愛は時に、危険だ。

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2020年3月7日土曜日

いづれの御時にか

コロナ肺炎の感染予防のため学校が休校になり、課題がたんまり出て嘆く息子。今日はふと見ると古典のワークをやっとりました。枕草子ではあんまり男子は喜ばんでしょうなぁ。軍記物、せめて平家物語くらいなら興味も出るかな。

高校生のころは、歴史や古典はもっぱら漫画であらすじを追うというのが女子の常識。中でも原文が読みづらい源氏物語はとりあえず漫画がよろしい。(主語というものが徹底して省かれているので、誰が話しているのかは尊敬語で判断するらしい)
もう漫画としても古典になるほど年季が入ってしまったけれど、やっぱり大和 和紀『あさきゆめみし』に続くものはないと思います。

光源氏が、次々出会う女性に母の面影を求めて恋愛を繰り返すという物語のテーマが素早く理解できます。さらに複雑な人間関係も頭に入りやすい。

続編に「宇治十帖」もあるんですね。
原文の方は高校の古典の時間にはかなり時間を割いて教えてもらったのですが、その時は全く恋愛そのものに興味がなくて。内容的には本編より宇治十帖の方が登場人物もシンプルにまとめられていて、感情もより現代人の感覚に近いから漫画を活用しつつまた触れてみたい。知識は学生の頃より減っているだろうけど、感じる心はいくらか育ったはず。

後の時代にも似たような物語がたくさん書かれたそうですが、文学的に評価できるものはついに生まれなかったとか。やっぱり源氏物語は偉大ですね!

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お墓が欲しい♪

夫の両親の墓参りに行った。このお墓、義父が亡くなる1年前にどうしても買うと言って聞かず場所も値段も一切の相談なしに決めてしまった。当然私は大反対した。しかも義父はさらっと電話で「○百万円足らないから」と言ってくる。毎月の仕送りもきついのに今度はお墓か、病院の診療費も滞納していて呆けた義母のとこにも帰っていないのに、この家はどうなってんねん!怒り心頭に達すとはこのことだった。義妹は「父が欲しいといってるものになんで文句つけんの!」と怒るし、夫は「オヤジは車を買うような感覚なんや」これもよく分からない。

そうこうするうち、フル装備のセットが出来上がって開眼供養となる。先祖って言ったって中身がないので、親切?にも義妹夫婦が先代の田舎まで一走り、無断で本家のお墓周りの土をひとすくいもらって帰って義父を安心させた。

これも「長男がすることやろ」「そんなん頼んでない」と兄妹バトルに発展したのだろうか、もう忘れた。開眼供養の日はうだるように暑く、とにかく汗が止まらなかった。義父は杖をついてヨロヨロと導尿の袋をぶらさげて現れ、いつものように無邪気に笑って見せた。

義父は女手一つで育ててくれた自分の母には特別の感情があり、病院で息を引き取るまでの1ヶ月ほどずっと病室で寝泊りしていた。教会に預けていた遺骨は自分が死ぬまでにどうしてもお墓に納めておきたかったのだ。そう言ってくれればいくらか納得するのに、うちへ来ても携帯電話でずっと喋ってるし、およそ義父とは意思疎通など皆無だった。

間も無く義父が逝き、義母が逝き、今は納めるところがあって良かったと思っている。
毎月夫はお墓の管理を欠かさない。家の庭の手入れは一切しないのにである。





2020年3月6日金曜日

何を好き好んでPTA

先に外国籍の友人からなんでPTAの役をやるの?と聞かれた話を書いた。
PTA本来の目的と意義から今回は大きく外れて、個人の参加動機についてレアな例をあげてみようと思う。

誰かがやらないと、というのが表向きの回答なのだが実は本当の理由があって、その一つは情報収集能力が低い上の苦肉の策というべきか。

女子的会話が極めて苦手で直接には無関係の人のマイナスイメージなど聞くと、もやもやする。それよりオフィシャルに集う人間関係から聞く情報が欲しい。男子は学校であったことなんて聞いても話さないし、話しても自分の話したくないことは言わないものだ。私だって親が心配するようなことに限って話さなかったから。

もう一つは話題の共有。夫は息子たちの中学校・高校には一度も足を運ぶことはなかった。必要がなかったと言うんだろうけど、寂しくないのかなと思う。私は女親が家族間の接着剤的役割を果たすこともあろうかと、学校の草むしりなどは積極的に行った。汗臭い体育館や壊れかけたウォータークーラーを見るだけの日もあれば、何の配慮かトイレのドアの男女のサインが外してあって困る日もある。何気ない先生の口調やふと気づいたことが、息子や夫との会話に繋がることもあるからだ。

さらに前年度の完全トレースであっても、引き継ぎから次へ引き継ぐまでに関わる人の個性はにじみでるもので、つまらない伝達や報告にしてもイマドキの方法やスマートな表現に触れるとやってて良かったと思える。

小学校のお役は確かに負担だ。小学校PTA委員選出の日など寒い教室で1時間以上役員が決まらずなんてことはザラにあったし、この役は無理なんですぅと泣かれて重い方の役を押しつけられたこともあった。裏でベロを出されていたかもしれないけど、逆に会うたび感謝されても気持ちが悪い。その活動たるや、ほんっと意味ねぇ!と思ったことは度々だったけれど他にやりたいことがあるならもっと早くに見つかっている筈と納得する。

悲しいかな、失敗や不快な思いをしないで暮らすことは生きている実感を失うことでもある。女子トークは、やっぱり苦手だけど。


鳥啼き魚の目は泪

お買い物専用になって久しく、あまり活用していなかった軽自動車を売った翌日。息子の自転車を借りて野菜を買いに行こうと思ったら、「友達とブックオフに行くー」と出かけてしまった。元より車は夫が釣りに乗っていって車庫は空、仕方ないので徒歩で直売所へ向かう。

農道を通って帰れば、畑にはソラマメがすくすく育ち、空の青、雲の白、小鳥のさえずり。まさに春爛漫の景色に背中のカバンの口が開いているのも道ゆく人に指摘されるまで気づかない気の緩みようである。あまり乗らなかった車なのに、意外にも傷心気味なのだ。「ドナドナ」を歌いたい。

ウグイスのさえずり・警戒の声、お腹が橙色のジョウビタキ、白黒お洒落なセグロセキレイ、一瞬見えたカワセミ、魚をねらう大きな白いサギ、ガーガー鳴くカモたち。にぎやかな鳥たちの向こうにはメガソーラー の工事が進んでいる。

かつて親しかった人が利用していた貸農園は荒地になっていた。笑顔が素敵で、新鮮な野菜や手作りの美味しいものをこしらえてはみんなに分けたり、子供たちを集めて楽しいことをする天才だった。親類のゴタゴタ・経済不安や学校ボランティアで心折れそうな私を支えもしてくれた。どんなお返しをしたら喜んでもらえるかと考えるうち、彼女の一家は東北へ引っ越して行ってしまい、不登校の息子さんのことも聞けず仕舞いで疎遠になってしまった。社交的な人だったので親しい人はたくさんいたのだが、話しにくいのか本当に知らないのか誰に聞いてもさぁ…?という反応だ。

いつか楽しい土産話を持って彼女の住む東北を訪ねたい。あの時はありがとう、と言えるまで待っていて欲しい。

2020年3月4日水曜日

虫めづる日々

子供の頃、虫はあんまり好きではなかったのに庭木の選定や草花を植えたりするうち、だんだん可愛いやつもいるなと思うようになった。

10年くらい前だったか、近所の方からお子さんにとカブトムシの幼虫をもらった。
何でも庭に飛んできたのを捕まえてオスメス一緒に飼っていたら卵を産んで、それが幼虫になってを何度も繰り返してきたという。下のお子さんが中学生になって世話をしなくなったので、残っていた幼虫のもらい手を探していたのだそうだ。

他からも何匹かもらって一緒に飼っていたら、全部成虫になり一匹だけオスが生まれた。夏の終わりには腐葉土のマットの中に白いつぶつぶがいくつも見つかる。やがてつぶつぶは小さな幼虫になって冬を越す。

翌年のケースはすごく賑やかだった。毎日の昆虫ゼリーの消費量も馬鹿にならない。オスメス5、6匹ずつくらいいただろうか、やたらに体の大きいオスがあまりに喧嘩ばかりするので案外、卵は残らなかった。夜中もガサガサうるさいので気持ちが悪くなり、翌年は数を減らして繁殖は最後にしたと思う。

感動的だったのはキアゲハの羽化を見た時。パセリについたキアゲハの幼虫が可愛くて割り箸にさなぎを作らせて毎日の変化を楽しみにしていた。羽化の時、しわしわの羽に体液を送りゆっくり羽を広げていく。最後に飛び立つ前は結構な量のおしっこをして体を軽くする。モリモリ葉っぱを食べて愛らしかった頃とは全然違う姿で、悠々と飛んでいく。伴侶と出会って卵を産むためだけの姿で。

解剖学者で虫好きで知られる養老孟司さんが、昆虫の変態について「二つの種が合体した」「ケムシとチョウはもともと違う生き物だと考えるほうが自然」と表現しているのが頭から離れない。(新潮社WEBマガジン「考える人」対談 池田清彦×養老孟司「虫との大切な時間」
自分も繁殖の時は別の生き物だったかもしれないと思うと、妙に納得してしまった。
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2020年3月3日火曜日

バトル開始。親父VS息子

息子の進学先がようやく決まり、話し相手が戻ってきたとばかりしばらくは大変上機嫌な夫だった。が、その蜜月もそろそろ終わりが差し掛かったか、しだいに不穏な空気が漂い始めている。

とにかく長男が幼かった頃は可愛さ余って口出す手出す干渉しまくりで、それもかなり自己中心的かつ気まぐれ。子供への対応では流石に私も声を荒げる事もあったように思う。親は自分の背中を見せる、つまりかっこ悪い思い出なんかを話してやる方が自信がつくと思うのだけど、彼の場合はとにかく喋りたいことを喋る。そうやって育ったのかもしれないし、私が相当うるさく言ったので手はあげなくなった。溢れる一方的な愛があるので長男本人もそこは納得していて自分が悪いと言う。いや、そうじゃないんだけどな。

先日もパソコン購入を巡ってやり込められ、例によって何も言い返せずただ萎れている。
完璧に欲しいスペック、価格の物なんてないのだし欲しいものを買えばいいと思う。大学生協おすすめは確かにいくらか安いし、説明も一律だから最初は安心感があるかもしれないけど、多少の不安材料は何とかします困ったら助けてくださいと何故言えない。

長男は不器用で素直だから永遠に父親には勝てないと思い込んでいる。ガチでやろうと思うから気持ちが萎えるのだ。つい援護射撃したくなる気持ちを抑えつつ、悶々としてしまう。それに今は夫婦の間に波風立ててまでバトルを応援する気力や自信がないのだ。願わくば良い大人、先生、友人に恵まれますように。あまり家に居つかないように。

その点、次男は要領が良いし時に恐ろしいほど太々しく父親に似ている。いつかやり込めてやると虎視淡々と狙っているようにも思える。

なんだかんだ言って男三人仲は悪くないのだが、また新たなステージに入ったなぁと大きな靴の並ぶ玄関を見てため息をつく。

2020年3月2日月曜日

酒と泪と女と花と

かつて義母が認知症が進んで一人暮らしが限界に来た頃、肝炎による肝硬変も相当に進んでいた。少しのアルコールも身体に応えたに違いないのに、そんな事も忘れてスーパーでワンカップ大関とスプーン印の砂糖1kgパックを買ってきてしまう。ワンカップの方は飲み切ってしまうが、砂糖は直接!?食べるのか封を開けたものがそこかしこに置いてある。

介護サービスを使いつつ、主治医に告げられた通り5年後肝癌になって亡くなった。介護施設ではフラワーアレンジの日が楽しみで、うちに帰ってからも毎日生け替えたり庭の草花を摘んで添えたりしていた。

だから棺の中は白装束に菊とかじゃなくて華やかな洋花でいっぱいにしてあげよう。
独特のパーマスタイルに濃いアイライン、タバコをふかす厳しい人生もあったろうけど、施設ではすごく可愛いおばあちゃんで通ってた義母なのだ。

しかしその思い遥か。

小さな事務所を営んでいたときは、すぐ「社長」「社長」とたかってくる連中に御馳走してしまう義父に苦労して、元から好きだったお酒をひっかけながら子供たちの夕飯を作るうちに酒量が増えていったとか。加えて身体のしんどさに安易に受けた点滴の針が使いまわされていたらしく、肝炎に罹ってしまった。

そのイメージがあまりに強かったのか、親類筋は「酒、好きだったよなぁ。いっぱい飲めよー」などと言いながら、お棺の中にドボドボと注ぎ込み出すからもう仰天で。「顔はやめてー」の声も虚しくおじさん達は後から後からもう浸るかと思うほどかけまくり、辺りは日本酒やらウィスキーの匂いぷんぷん。

お花もお酒もたぶん喜んでくれたんじゃないかと、思っています。
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どうせ死ぬんだから

 「どうせもうすぐ死ぬんだから」と老人特有の僻みっぽいことを口にしながら、「年寄りは嫌よねぇ。若い頃はお爺さんやお婆さんがなんでそんなこと言うんだろうってずっと思ってたわ」と母は自分で言って笑っている。続けて「それはね」となかなかに深い話をしてくれた。 長く生きてもやっぱりあの世...