2020年3月3日火曜日

バトル開始。親父VS息子

息子の進学先がようやく決まり、話し相手が戻ってきたとばかりしばらくは大変上機嫌な夫だった。が、その蜜月もそろそろ終わりが差し掛かったか、しだいに不穏な空気が漂い始めている。

とにかく長男が幼かった頃は可愛さ余って口出す手出す干渉しまくりで、それもかなり自己中心的かつ気まぐれ。子供への対応では流石に私も声を荒げる事もあったように思う。親は自分の背中を見せる、つまりかっこ悪い思い出なんかを話してやる方が自信がつくと思うのだけど、彼の場合はとにかく喋りたいことを喋る。そうやって育ったのかもしれないし、私が相当うるさく言ったので手はあげなくなった。溢れる一方的な愛があるので長男本人もそこは納得していて自分が悪いと言う。いや、そうじゃないんだけどな。

先日もパソコン購入を巡ってやり込められ、例によって何も言い返せずただ萎れている。
完璧に欲しいスペック、価格の物なんてないのだし欲しいものを買えばいいと思う。大学生協おすすめは確かにいくらか安いし、説明も一律だから最初は安心感があるかもしれないけど、多少の不安材料は何とかします困ったら助けてくださいと何故言えない。

長男は不器用で素直だから永遠に父親には勝てないと思い込んでいる。ガチでやろうと思うから気持ちが萎えるのだ。つい援護射撃したくなる気持ちを抑えつつ、悶々としてしまう。それに今は夫婦の間に波風立ててまでバトルを応援する気力や自信がないのだ。願わくば良い大人、先生、友人に恵まれますように。あまり家に居つかないように。

その点、次男は要領が良いし時に恐ろしいほど太々しく父親に似ている。いつかやり込めてやると虎視淡々と狙っているようにも思える。

なんだかんだ言って男三人仲は悪くないのだが、また新たなステージに入ったなぁと大きな靴の並ぶ玄関を見てため息をつく。

どうせ死ぬんだから

 「どうせもうすぐ死ぬんだから」と老人特有の僻みっぽいことを口にしながら、「年寄りは嫌よねぇ。若い頃はお爺さんやお婆さんがなんでそんなこと言うんだろうってずっと思ってたわ」と母は自分で言って笑っている。続けて「それはね」となかなかに深い話をしてくれた。 長く生きてもやっぱりあの世...