辞書といえば国語辞典でも英和辞典でも紙のものを古いままいつまでも持っている。第何版とか新しいものが出ればその都度買い換えた方が良いのだが、日々手にしていたものを手放すにはあまりに愛おしく棚に納まっている。
とは申せひとたび電子辞書を知ってしまったら、その軽さ検索の速さ・更新の便利さ・音声まで何もかもスマートで紙辞書からはますます遠ざかるし、パソコンだとオンライン辞書で十分なのだが。
以前PTA役員で卒業記念品を決める役が回ってきた。従来は1500円ほどの予算で廉価版の国語辞典が贈られていたが、中学校で「語句ノート」の課題をやる時に全く役に立たないとの話を聞き、本屋で何種類かの辞書を比べてみることにした。
多くの人が書いているように辞書には各出版社ごとに特徴があって、現代語に強い・古典に強いなど個性にあふれている。そして最低でも予算は倍必要なのだ。結局クラスのママたちを説き伏せて、卒業積立からあと1500円ずつ捻出し「岩波国語辞典」を記念品にした。今思えば少々顰蹙ものだったかもしれないが、図書券を贈るのも「お金はダメ」と賛同を得られなかった時代のことだから許してもらえると思っている。
「岩波国語辞典」(一部では岩国というらしい)、最近流行の擬人化を試みれば、「広辞苑」の弟分みたいな真面目な性格でトレンドには弱いがメガネを取ると結構イケメンみたいな感じか。
その頃レンタルでみた映画
「舟を編む」(原作:三浦しをん 2013年石井裕也監督作品 主演:松田龍平 宮崎あおい)2012年本屋大賞を受賞した小説を映画化、2016年TVアニメ化されている。
新しい辞書「大渡海(だいとかい)」を編纂する辞書編集部に馬締(まじめ)君が配属されるのだが、どの人も相当に個性的。板前を目指す香具矢(宮崎あおい)とのぎこちない恋が好ましい。馬締が語釈を任された「こい【恋】」は「ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手につかなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。 / 成就すれば、天にものぼる気持ちになる。」となる。
わぉ。
どうせ死ぬんだから
「どうせもうすぐ死ぬんだから」と老人特有の僻みっぽいことを口にしながら、「年寄りは嫌よねぇ。若い頃はお爺さんやお婆さんがなんでそんなこと言うんだろうってずっと思ってたわ」と母は自分で言って笑っている。続けて「それはね」となかなかに深い話をしてくれた。 長く生きてもやっぱりあの世...
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