チェーザレ=ボルジアはイタリアルネサンス期の軍人・政治家で、レオナルド・ダ・ヴィンチが惹かれ、マキャべッリが著書『君主論』の中で、冷酷非道ながら「君主の理想」として紹介した人物。
イタリア史に詳しい方は『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』塩野七生 などでお読みになっているかと思います。が、日本の研究者は少なく翻訳された本も少ないのだそうで。
漫画の「チェーザレ」では監修にダンテ学者の原基晶を迎え、本邦未訳のG・サチェルドーテ版の伝記を翻訳しながら描いているというから、気合の入りようが段違い。ただ単行本が4年待ちとかなのはもどかしいです。その間に少しくらい勉強しとけってことですかね。
ピサの学堂にフランス、スペイン、イタリアの貴族の子弟が集まって共に学び、戦争さながらの十字軍を模した「騎馬試合」、教皇選挙コンクラーベの様子、ミケランジェロがシスティーナ大聖堂の天井画を描く前の天井画の復元を試みる(星空の絵)など、時代考証にも手を抜きません。
絵は少女漫画系なんですがほとんど恋愛なし、辛口のストーリー展開。西洋史にあまり詳しくなくても、ビッグネームな有名人が登場して飽きないしルネサンス期から大航海時代へつながる頃の躍動感は伝わってきます。次号、期待してます。