2020年1月28日火曜日

不老の秘薬

陳舜臣『秘本三国志』実はまだ最後まで読めていません。そろそろ赤壁の戦いに向けて曹丕が水軍の訓練を云々という辺りなので、ゆっくり楽しみながら読みたいと思います。

好きな登場人物は、と聞かれたら曹操は別格として呉の周瑜なんかいいですね。
諸葛亮に負けじとひたすら努力するけど、報われなくて怒りのあまり血イ吐いて死んじゃう。戦いに明け暮れる男たちの性格もそれぞれ、吉川三国志で登場する人数は実に839人、自分に似ている人物もみつけられるかもしれませんね。

『秘本三国志』は秘本とするだけあってフィクションも多く「桃園の誓い」とか「美女連環の計」とかいわゆるおなじみのエピソードはあまり描かれません。

代わって架空の人物が中心となってストーリー展開しているのが特徴です。

なかでも漢中に勢力を張った宗教「五斗米道」の教祖である張魯の母、小容という女性が物語のキーパーソンで、諸葛亮を早くから見出し「天下三分の計」を語らうといった設定。秘薬を使って40歳を超えても若々しく、人を虜にする魅力に溢れた女性なのです。群雄割拠の時代をどう治めるか、常に太極を見て動くが自分に残された美しさを保てる時間は幾ばくもない。

作品には何人も魅力的な美女が登場し、様々な地で能力を発揮して時に妖艶、時に清楚。陳先生の描く女性はクオリティーが高くて憧れます。


どうせ死ぬんだから

 「どうせもうすぐ死ぬんだから」と老人特有の僻みっぽいことを口にしながら、「年寄りは嫌よねぇ。若い頃はお爺さんやお婆さんがなんでそんなこと言うんだろうってずっと思ってたわ」と母は自分で言って笑っている。続けて「それはね」となかなかに深い話をしてくれた。 長く生きてもやっぱりあの世...