父がWindows3.1搭載の一体型パソコンを量販店で買ってきた頃から、少しずつパソコンに親しんできた。それまで黒い画面に蛍光色の文字が並んで、ベーシックを組んで計算するとか理数系科目に弱い私には無縁の世界と思っていたのに、白い画面に絵がついていたりゲームできたり面白そう。尤もインターネット普及以前の話である。
父は理系のくせにワープロをちょっと使う程度で結局飽きてしまったが、私たち20代は物凄いスピードでネット社会の濁流に飲み込まれていった。米国の学生は一人一台コンピューター持ってるらしいよ、Macってワープロの字はひどいし日本語変換は「書院」の方が優秀だよね、「一太郎」って使えるの?そんな会話に入れないまま研究室を中退したんだった。せっかくパソコンがあるなら使ってみたい。
デスクトップに複数のソフトを立ち上げて切り替えながら使い、ファイルをフォルダに入れてしまう。机の上に本とノートと辞書を出して作業し、ノートにラベルを貼って棚にしまう。実務をすれば1日で身に付くところを、のろのろと迷走しながらイメージしていく。
2020年1月8日水曜日
どうせ死ぬんだから
「どうせもうすぐ死ぬんだから」と老人特有の僻みっぽいことを口にしながら、「年寄りは嫌よねぇ。若い頃はお爺さんやお婆さんがなんでそんなこと言うんだろうってずっと思ってたわ」と母は自分で言って笑っている。続けて「それはね」となかなかに深い話をしてくれた。 長く生きてもやっぱりあの世...
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2022年12月スコットランド議会で、法律上の性別変更の手続きを簡易化する法案が賛成多数で可決された。これによって性別変更申請は16歳から、客観的な性別違和の診断書なく自己申告のみで可能となった。具体的には、自分で今日から女になります、男になりますと役所に届を出せば即受理されると...
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福田恒存『私の幸福論』(ちくま文庫)を読む。平易な言葉で語られる、その内容は深く重厚で何度も読み返すことになると思った。昭和30〜31年にかけて講談社『若い女性』という雑誌に「幸福への手帖」と題して連載された。もう70年ほど前の文章だから、社会の事象は大きく変貌して日本人の生活...
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LGBT理解増進法案が衆参本会議で可決し成立した。この法案はG7広島サミット前に成立させようとの動きから、異例の速さで立案・審議と進んだ。与野4党の修正案は、大多数の人への影響が少ない内容に変えられ、少し安心感が加わったが、それでも「差別」の内容は明らかになっていないし、ジェンダ...