2020年4月7日火曜日

庭のハナミズキ

我が家には大屋根を越えんばかりのハナミズキの木が植っていて、一度トーテムポールと見紛うばかりバッサリ切ったにもかかわらず、また数年後同じスケールに育った。
種から育った苗木も、いつのまにか私の背を越えて立派に成長している。

この時期、枝の先々に小さなつぼみをつけて春爛漫の強い日差しを受けている。やがて4枚の白い花弁をゆっくりと大きく広げてくるだろう。

ハナミズキは一説には犬の病気に薬として使われたことから英名dogwoodと呼ばれる。
1912(大正元)年、日米親善にワシントン市に贈られた6000本余りの桜の返礼に、3年後ハナミズキ60本が東京市(当時)に贈られた。この話はいつか、英語の教科書で読んだ。

ハナミズキといえば今から15年前、この花の名前の歌がヒットしたのを覚えておられるだろうか。一青窈(ひととよう)の「ハナミズキ」は2004年のカラオケランキング一位を獲得したとか。10年ほど後に卒業式か何かで息子がクラスで歌うことになって、この曲が9.11アメリカ同時多発テロにインスピレーションされて作られたと教えてもらった。なるほど、歌詞が意味不明で難解な訳である。歌詞(外部リンク

「♪君と好きな人が百年続きますように」の部分がヒットにつながったらしいけれど、
「♫どうか来てほしい、水際まで来てほしい」辺りはやはり子供を残して死んでいく親のイメージが浮かんできて、ぞくっとする。

ハナミズキの木がキリスト磔刑の十字架に使われた、という話はアメリカで出来たに違いないけれど、4枚の花弁を十字に見立て信仰のシンボルツリーとして人々が心の拠り所にしたのは想像に難くない。

木の花の物語。興味深い。



どうせ死ぬんだから

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