2020年4月14日火曜日

鴛鴦の契り久しからず

広辞苑によると
えんおう‐の‐ちぎり【鴛鴦の契り】ヱンアウ‥ 夫婦仲のむつまじいことのたとえ。おしのちぎり。御伽草子、浦島太郎「互に―浅からずして」
語源は唐の時代の漢詩撰で、仲睦まじい夫婦が死んでそれぞれの墓に木が生え絡まり合ったところへオシドリが巣を作って鳴き交わしたという言い伝えを取り上げたとか。よっぽど水辺にお墓を作ったものですね。

オシドリは雄の姿が派手なのでつがいでいると目立つことから仲睦まじい夫婦の象徴とされてきました。立教大学の鳥類学/動物行動生態学の上田恵介先生によると、実際には夫婦でいるのは繁殖期の前につがい形成をする1~3月までと、繁殖期である4~5月の間で1年のうちせいぜい5カ月ほど。しかも毎年パートナーを変えるんだそうで一生添い遂げることはないそうです。参考:本当は仲睦まじくないオシドリの夫婦から学ぶ「婚姻」の意味|動物たちの恋愛事情vol.2

ガン、ハクチョウ、ツル、オウム、ワシ、カモメ、ペンギンといった大型で長生きの鳥は生涯連れそうタイプが多いそうですが、ほとんどの種でよりよい遺伝子を残すためにメスが浮気をしているとか。
参考:『鳥の不思議な生活――ハチドリのジェットエンジン、ニワトリの三角関係、全米記憶力チャンピオンvsホシガラス』(ノア・ストリッカー著、片岡夏実訳、築地書館)


例外中の例外としてアホウドリは一夫一婦制を貫くそう。だいたい20歳前後まで生き中には60歳を超えて生きた記録もあります。全長100cm羽を広げると最大240cmという大きく美しい鳥。人を警戒しないことからこんなおバカな名前がついたのは残念ですね。
改名の動きもあって長崎で呼ばれる「オキノタユウ」も有力候補だとか。
是非将来、アホウドリの契りではなしに「沖太夫の契り」として広辞苑に載せてほしいものです。


どうせ死ぬんだから

 「どうせもうすぐ死ぬんだから」と老人特有の僻みっぽいことを口にしながら、「年寄りは嫌よねぇ。若い頃はお爺さんやお婆さんがなんでそんなこと言うんだろうってずっと思ってたわ」と母は自分で言って笑っている。続けて「それはね」となかなかに深い話をしてくれた。 長く生きてもやっぱりあの世...