婚外恋愛、いわゆる不倫について最も目にするのは芸能ニュースだろうか。昨今の著名人、芸能人の不倫バッシングには目に余るものがある。清廉潔白で家庭を大事にするイメージが壊れたと言ってスポンサーが契約を打ち切るのは分かるが、関係ない人たちが寄ってたかってその人の家族を傷つけキャリアまで奪ってしまう。そんな権利はどこにもないが人権侵害だと言っても相手にされない。なのに現代版姦淫罪による世間の報いが如何に厳しかろうと、抑止力になるどころかむしろ助長しているのではとさえ思う。
『人はなぜ不倫をするのか』 (SB新書 亀山早苗 著)によると、不倫は生物学では当然のことであり社会学でも仕方のないこととまとめている。著者の考えに沿った意見を集めているともいえるが、どのような動機であれヒトは生物として不倫するように出来ているという。
ではどうして不倫はダメなのか。一夫一婦制が有る限り無くならないなら根絶は不可能だし、無駄な努力である。だからといって野放しにしたのでは社会の規範がゆらぎ、財産権や親権の問題が生じ、不倫当事者は大変不利な状況になる。幼い子供は親が不倫することで家庭の安定を失う可能性があり、場合によっては生命の危機に晒される。不倫はやはり避けられるならば避けた方が個人と社会の安定という面で効率がよろしい。
脳科学の先生は不倫が一種の快楽を伴うからやめられないという。麻薬やドラッグと同様、依存性があって自分の意思では止められないなら厳しく取締るよりないのかもしれない。もらったお菓子に大麻が入っていて間違えて食べたケースでさえ日本では厳しく取り調べられるだろう。間違えて嵌ってしまった婚外恋愛も例外ではないという考えだ。
個人的には不倫を容認する風潮が強まっている一方で、それを棚に上げて他人の不倫を糾弾するとは何とも窮屈なことと思う。結婚制度への疑問や容認無き社会に、おそらく少子化に歯止めはかからないだろう。