2021年11月20日土曜日

国際ナントカの表裏

 ほぼ1ヶ月書けないでいたのは、頭に栄養素が回っていなかったせいかもしれない。正月おせちの予約などの季節になると、美味しいものへの興味が復活してきた。夏のオリンピックが遠くなり、ぼうっとしているともう冬の北京オリンピックの話題である。アメリカが外交的ボイコットを検討しているとのニュースが入ったが、これは国際競技会はただの運動会ではなく大いに外交的役割があることを思い出させてくれた。そういう意味で夏の東京オリンピックもどんな形であれやらねばならなかったのであり、2019年のラグビーワールドカップの折だって一般人が想像もつかないような要人同士の会談がスポーツ観戦にかこつけて繰り広げられていたに違いない。

もう昔のことになるがユネスコ世界遺産の国際会議が私の住む街で開催することになり、偶然にもボランティアクラブの紹介で書類作成等の短期アルバイトに入ることがあった。会期中は語学力が足りないのはもちろん、会議場の控え室に来てもほとんどできる仕事が無い上にまさかの妊娠3ヶ月。体調はすこぶる良かったし物珍しさと日当代欲しさに出てきたら、チーフの女性に「迷惑です」とキッパリ言われてしまいしょげ返ったのを思い出した。忙しいのに物見遊山で来やがって、という般若の表情が忘れられない。さもありなん、ありなんである。

当時途上国の国々にメールやFAXでアクセスするのは必ずしもスムーズに行かなかったが、世界遺産に認定されることで経済的メリットや観光資源としての期待が膨らんでいる時期でもあったので、どの国も参加には大変積極的だったように思う。そして世界遺産にかこつけて出張のついでに自国のアピールや、経済支援などの糸口を見つけようと日本に来た人も多かったのだろう。この程度の会議で滅多なことはないだろうが、思わぬトラブルがないとは限らない。

もう少し思慮深く、物事の表面ばかりに捉われていなかったらと思うことばかりだ。この世界ではケシ粒のような存在であっても、起こっている事柄が何を意味しているかまるで分からないままでいいのだろうか。あの時のあれは、こうだったのだと今更気づいてもせんないことである。

どうせ死ぬんだから

 「どうせもうすぐ死ぬんだから」と老人特有の僻みっぽいことを口にしながら、「年寄りは嫌よねぇ。若い頃はお爺さんやお婆さんがなんでそんなこと言うんだろうってずっと思ってたわ」と母は自分で言って笑っている。続けて「それはね」となかなかに深い話をしてくれた。 長く生きてもやっぱりあの世...