2024年5月16日木曜日

可笑しくて哀しい

 2024年度上半期の朝ドラは『虎に翼』でヒロインは伊藤沙里が演じている。朝ドラヒロインとしては知名度高めで演技が安定した人を選んできたなと思った。コミカルな役が上手いのでドラマの名脇役的な印象があるけれど、映画にも多数出演している。

映画ホテルローヤル(2020日本:波瑠、松山ケンイチ、安田顕、余貴美子ほか。原作は桜木紫乃、直木賞受賞作。)ではヒロインがやむなく家業を継いだ釧路湿原を望むラブホテルの一室で、高校の担任教諭と心中してしまう女子高生の役だった。コミカルなのに哀しい、コメディの真髄をついていて、往年のチャップリン映画のように無邪気に笑いながらホロリとさせる。

登場人物の誰もが問題を抱えていて、一生懸命なのにどこか笑えてしまう。原作の方がその辺りは描写が細やかだったけれど、雄大な釧路湿原とものすごく寂れたケバケバしい建物の対比は映像の方が伝わったと思う。




戦後80年

 戦後80年の今年、そろそろ「戦後」という言葉をやめようかと言われている。1945年の終戦から遡って80年といえば幕末であり、いくらなんでも時代区分としても大雑把すぎるのではということだろう。もちろん「戦前」「戦後すぐ」という短い期間を指す言葉としては今後も使われるだろう。 明治...