ではオンライン授業はどうか。大学側もできるだけ早い対応でオンライン授業開始に努力したと思うが、自宅でパソコン画面を90分授業を1日何コマも眺めるのは、学びの場として何らかの助けにはなろうがやはり不十分だ。授業料に見合っていないと授業料や、キャンパス内立ち入り禁止で使えない施設利用料の返還を求める声がじわじわと挙がってきている。
国際基督教大学はオンライン授業に迅速に対応したことに加え教養分野が多くを占めることを理由に、学生の署名運動に対し学長が返還に応じないとの回答をしている。一方、芸大・美大など実技あっての分野において学生の不満に理解を示す大学もあり、京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学)と東北芸術工科大学は学費の一部返還を決定した。返還金額は数万円程度と全体の授業料に比べれば微々たるものだが、少しでも学生に歩み寄ろうと言う姿勢は評価できる。
アメリカの学生は一部の返済不要な奨学金を貰えるエリートを除いて、年間7万ドル(約750万円)もの授業料をオンライン授業に払う事になる。莫大な学費ローンを抱え、コロナ不況の真っ只中に出ていかねばならない。そんな不安を胸にオンライン授業に集中できるだろうか。いやそんな状況下でも泣き言を言っている場合ではないのだろうが、若い人にとって実に過酷な時代に入った。
いつもの席にあの人が今日も座ってるかな、なんてわくわくして通ったキャンパスはどこへ行ってしまったのか。それくらい復活させてくれよと、心から願う。